向田邦子さんのらっきょう

 東京で働く、立派な大人になったら行ってみたいと思っていたところがありました。
たとえば待ち合わせにさりげなく「談話室滝沢」とか。かっこいいじゃないですか。

夜はなんとなく、銀座のバーによる。ママの話だと、そこは○○先生が、生前よく通われていた文壇バーだったとか。
そんな素敵な大人になれる可能性がなくなったゆえに、もう臨むべくも無い話なんですけど。

 学生時代、よく向田邦子さんの小説やエッセイをよみました。
十年程前ですから、彼女が亡くなってから、その時点で随分経っていました。
エッセイの中によく食べ物や食べ物屋さんにまつわる話がでてきました。

たとえば、彼女が妹さんの和子さんに経営を任せていた赤坂の小料理屋「ままや」、
山口瞳氏あたりと良く寄っていた「鉢巻岡田」。
ここのあたりもぜひ一度寄ってみたかったですね。

ままやはもう、数年前に営業をやめたらしいですけど、鉢巻岡田はまだやってるみたいですね。
彼女達がつついたであろう、山口瞳ごすいせんの鮟鱇鍋、いつか行ってみたいですね。
久世光彦さんも亡くなって、さびしい限り。なんか昭和のカッコイイ大人たちに会いたいなあ。忘れたくないものです。

 そんなグルメの向田さんですが、お取り寄せにも熱心だったようです。
机上の引き出しには旨いものを意味する「う」という文字の書かれた段があり、
そのなかにはお土産などで手に入れた旨いもの、各地の物産のラベルが、ガサゴソと突っ込まれていたそうです。
そこに、らっきょうのラベルがあったそうです。それが、これ。玉黄金らっきょう(コミヤ味工) \525。
だから文壇のお墨付き(?)。一度お召し上がれ。

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